成人大学講座「現代韓国文化社会を知ろう」 最終回

いよいよ前期の最終回です。
テーマは「韓国の年中行事/祝日/記念日から読み解く韓国文化」です。

もっともメジャーな記念日といえば、誰もが持っている誕生日でしょうか。
我々日本人は誕生日に、年齢を1つ加算します。
しかし韓国人は違うようです。誕生日という概念は同じですが、その日に年はとりません。
1月1日に国民一斉に年をとるそうです。
もしかしたら誕生日プレゼントという風習はないもかもしれません。

1月1日というと元旦、いわゆるお正月ですね。
お正月、韓国人は何をしているのでしょう。
父方の先祖に対して儒教の祭祀を行い、その後墓参りをするそうです。

他の記念日も見てみましょう。

・上元(サンウォン):新年最初の満月。五穀飯(薬食)などを食べて健康を祈る。巫俗の祭りなども行われる。小正月ともいう。北朝鮮にもある。

・寒食日(ハンシギル):2月から3月初に行われる。冬至を過ぎて105日目を指す。冷たいご飯を食べる。墓参りをして祭祀を行う。

・浴仏日/釈迦誕生日:旧暦の4月8日を釈迦の誕生日として祝う。寺に参り、提灯をともす。日本でいうお花祭り・灌仏会に相当。

・端午(タノ):旧暦の5月5日。夏の病気に備えヨモギなどの薬草を取って薬としたり、菖蒲湯で髪の毛を洗う。子供はブランコや相撲を取って遊ぶ。北朝鮮にもある。

・秋夕(チュソク):旧暦の8月15日。正月と共に韓国の2大名節の一つ。新穀や餅や酒を作って祖先を祀る秋夕茶礼が行われる。各地で農耕儀礼や民族遊戯が行われる(カンガンスゥレ)。ソルと同様に公休日にも指定され、日本のお盆と正月に相当する帰省ラッシュとなる。北朝鮮にもある。

ところどころ、日本とかぶる風習もあるようですね。
では次に国家の記念日を見てみましょう。

・「三一節」:陽歴の3月1日。植民地期であった1919年3月1日に勃発した反日民族運動を記念した日。

・「制憲節」:1947年7月17日の憲法制定を記念した日。日本でいう「憲法記念日」。

・「光復節」:1945年に日本の植民地解放を記念した日。日本では「終戦記念日」。

・「開天節」:紀元前2333年陰暦10月3日に檀君が最初の民族国家である檀君朝鮮を建国したという朝鮮民族の神話的起源をたたえる日。日本でいう「建国記念日」

・「顕忠日」:6月6日。韓国戦争後、国のために無くなった戦没者を祀るために制定された日。

・「クリスマス」:12月25日イエスキリストの生誕を祝う日。初代大統領がクリスちゃんだったので。

さて5回に渡って現代韓国文化社会をお送りしてきましたが、いかがでしたか。
物理的に近距離とはいえ、お互いに知らないことはまだまだ沢山ありそうです。
いつか仲良くなれるといいですね。

講師を担当してくださった古田先生、お忙しいなかありがとうございました。
受講生のみなさんもお疲れ様でした。また別の講座でお会いしましょう。
see ya

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