6月8日(水)成人大学講座「心の健康の今」最終回

成人大学(前期)も、とうとう最終回となりました。
5回目の講義は、帝塚山学院大学教授 深尾憲二郎先生にお越しいただき、
「認知症になりやすい性格」というテーマでお話を伺いました。

0105001 0105002

 

 

 

 

H01-2
現代ではビッグ・ファイブと呼ばれる性格の構成要素があって、左の表の5つの項目と、病気との関係が新たに研究されているそうです。

 

 

 

その中で、認知症に焦点をあてた研究例として3つ挙げられましたが、3番目の研究例をここでご紹介しましょう。

●クングスホルメン研究(スゥエーデン)
ストックホルムの中心部、クングスホルメン在住の高齢者1810名の方々に、1987年から3年ごとに認知機能等の調査を継続しているものです。その結果、社会的ネットワークが少ない群および余暇活動が少ない群では、神経症傾向が高い場合に認知症の発症率が約2倍に増えていた、との報告が挙がっているようです。

では何故性格が認知症の原因となり得るのか?
神経症傾向:ストレスを強く感じ、長く引きずる → 海馬が傷害される
内向的・非社交的傾向:社会的ネットワークが作れない → 予備の脳が発達しない

つまり、メインの脳が認知症で縮んで使えなくなったときに、予備脳が発達していないと切り替えられない、ということではないだろうか、とのこと。

以下の様な例もありました。
アルツハイマーになっていたかどうかは、死後に脳を解剖しないとわかりません。
解剖した結果、どうみてもアルツハイマーな状態なのに、生前そんな素振りが全く見受けられなかった人もいたそうです。

H05-3

 

最後に、認知症になりにくくするにはどうすれば良いかお話をされました。活動的な人では、認知症の発生リスクが下がる(表5-3)

何でもいいので、毎日何かしらのことをしていると下がる傾向にありますと、お話を締めくくられました。

さてさて、平成28年度成人大学(前期)の講義はいかがでしたでしょうか。今回の講座内容も、皆さんの日常生活に風味を添えることが出来たら嬉しく思います。

担当講師の皆様、参加者の皆様、本当にありがとうございました。

カテゴリー: 未分類, 講座の記録 パーマリンク