ハートフルセミナー第4回 iPS技術による精神病の再生医療の可能性について

この講座もあっと云う間に最終回です。講師は先週に引き続き菊山裕貴さんです。
テーマは、iPS技術による精神病の再生医療の可能性について~人工の精神細胞の移植によって精神病は完治可能か?~
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皆さんご存知ですか?日本で入院床数の多い科は精神科と云われているようです。その精神科で一番多い病名は“統合失調症”らしいです。
先週も統合失調症を中心にうつ病・躁うつ病についての検証も行いました。我々にはとても理解ができない世界のお話でした。
しかし、疾患のしくみやどんな薬がどのような効果があるか?を理解することによって医療に頼ることの大事さを考えさせられました。
改めて、統合失調症の病態の進行とは何か?それは進行性の脳灰白質の体積減少を来たします。
そしてオランザピンという薬剤は統合失調症の進行性の脳灰白質の体積減少を防止し、一部には体積を増加させます。
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本日のメインiPS技術についてです。人工多能性細胞といいます。以前は、成熟した細胞を受精卵に植えることをしていました。
それは生命倫理上の問題が指摘された研究の末、iPS細胞が登場しました。患者本人から幹細胞をとりだしそれを移植するという方法です。
この方法だと自分の皮膚などから取り出すことが出来るため、移植した時の拒絶反応がないという利点があります。
統合失調症にも将来的に応用できるということです。もちろん、問題点がないわけではありません。しかし、今年初めのアメリカの医療界で発表があったように、認知症の中でも非常に多いアルツハイマー病患者にこのiPS細胞を移植し細胞の再生が見られたという報告がありました。
ぜひ、精神疾患などへの活用も実現して欲しいと思います。
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今回の4回講演如何でしたでしょうか?うつ病を真正面に考えたり、統合失調症を医科学的に考えたりしました。難しい場面も多数ありましたが根本的なしくみなどを学ぶことで今後の生活にも生きてくると思います。
ぜひ、またご自身で色々調べて下さい。宜しくお願いします。ありがとうございました。

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