ハートフルセミナー『“心の病”貴方は知っていますか?心と脳の真実』第3回

精神病はどこまでわかったか-脳を守るための精神科治療-が3回目のテーマです。
講師は、大阪医科大学(神経精神医学教室)、新阿武山病院(大阪精神医学研究所)精神科医の菊山裕貴さんです。

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統合失調症のことを主に取り上げていますが、後半で躁うつ病やうつ病についても解説が入ります。
その統合失調症では発症してからの時期が急性期と慢性期では治療のポイントが違うと云うことでした。
アポトーシス(細胞の自然死)が引き起こされる事によって病は進行するが急性期など限られた時期に起こります。
そして、病自体は再発し、それを繰り返す毎に機能の低下が認められるようです。
そもそも統合失調症とは・・・、「考えや気持ちがまとめられなくなるなり、長く続くことで行動がぎくしゃくしてしまう状態です。妄想や幻覚などの症状がみられます」
医学的には脳体積の減少が特徴的です。病が再発を繰り返す毎に治りにくくなる、と云うことです。

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さて、どの病でもある事だと思いますが、この病も治療において過剰な薬物治療の効果が落ちていきます。
人間は何らかの刺激を受けると大脳でまず解析し、その後海馬に送られます。海馬から各部位をめぐる流れに乗り、そこで感情が生まれます。
例えば、ドーパミン(快感を増幅する神経伝達物質)が多くても少なくとも神経細胞は死滅します。効果が落ちる投薬は気をつけなければいけません。
また、統合失調症と躁うつ病の違いってなんでしょう?ともに脳体積減少はおきます。しかし体積減少範囲が広いのです。
統合失調症と躁うつ病は重症度が量的に異なる疾患です。
1、統合失調症の初期は白質の減少から始まる。
2、統合失調症の初期は幻覚妄想よりも気分症状が先行。
3、統合失調の発病を抗うつ薬でも予防できる。
4、躁うつ病の極期にだけ幻聴が出現することがある。と、いうことです。

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最後に、ひとつ。精神病の遺伝子は高い知能を持ちます。つまり精神病の遺伝子は異常な遺伝子ではないのです。
また、脳体積の減少は脳の成熟に必要であるのです。それには必要な遺伝子の組み合わせがあります。
本日はいかがでしたでしょうか?内容は高度でした。でてくる画像は未知のもの。資料は何を書いてあるのか理解できない。
だったと思います。しかしある程度精神疾患を学ぶには根気良く悩んで頂きたいと思います。ぜひ、次回も粘りよく受講して下さい。

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